目について知ろう!

 皆さんいつも当たり前のように使っている目!ですが、なぜここについてるのか、どうして顔の横についている生き物がいるのか、など疑問に思ったことはありませんか?今回は目についてスポ-ツの視点も踏まえながらお話をしていきたいと思います。

目は3種類に分類される!

 動物の目の形態は「カメラ眼」「単眼」「複眼」の3種類に大きく分類されます。

カメラ眼・・・カメラ眼とは、基本的にはカメラと同じ構造を持つ目のことです。ピント調整に必要な「レンズ(水晶体)」、カメラのフィルターの様な機能をする「角膜」、フィルムの様な機能をする「網膜」等がある。

 全ての脊椎動物が持っている。

単眼・・・レンズと網膜があるが、ピント調節や絞り等の機能がない。具体的な物の形等は識別できず、光の明暗だけを見分けることができる。

 節足動物(たくさんの節からできているもので、ムカデやクモなど)や軟体動物(あしに節が無く、左右対称の体をもっている。イカやタコなど)の多くが持っている。

複眼・・・単眼が複数集まったもの。全体像を認識する為、動きを察知するのに適しているが、精密にはっきりとみることはできない。

 節足動物などが持っている。

魚と人の目の見え方は同じ?

 カメラ眼である魚と人!では見え方は同じなのでしょうか?違います!!皆さん、水の中に入った時を想像してみて下さい。水中ではなんだかぼやけて見えませんか?人は水中ではものがしっかりと見えません。それに対し、魚など、水中で生活する生き物はボールのような丸い、水の中に適応した水晶体を持っています。

 魚の水晶体には、たんぱく質が多い為、焼き魚等をした時に白く濁ります。また、魚の視力はあまりよくなく、色もよくわからないのではないかと言われています。

 このように同じカメラ眼でも生活をする環境によって見え方に違いがあることが分かります。

目の位置が違うのはなぜ?

 目の位置の違いは、食べるものによって関係しています。「肉食動物」「草食動物」の2種類に分けてお話をしたいと思います。初めに「肉食動物」についてお話をします。肉食動物のほとんどは、狩りをし他の動物を食べ生きています。その為、目が前に二つ並んでいることでより広い範囲を立体的に見えるように、そして正確な距離を測ることができるように、このように進化したと言われています。

 次に「草食動物」についてお話をします。草食動物は、肉食動物から逃げなければなりません。その為、より広い範囲を見渡すために顔の横に目が並んでいます。因みに、うさぎは自分の周囲360度を見渡せるそうです。

動体視力とは・・・?

 動体視力とは動いている物を見分ける能力の事で、元から人間それぞれに備わっている能力ですが、個人の生きてきた環境や成長の過程などによって、その能力に差が生じます。そのため、アスリートなどは動体に対する反射速度が常人より強化されて優れており、動体視力が高いという方が多くなっています。

また、高齢者講習(75歳以上の運転者が免許を更新する際に義務付けられている講習)では、動体視力検査が運転適性検査の1つとして実施されているように、動体視力は、年齢と共に低下していきます。しかし、動体視力は鍛える事ができます。

動体視力ってどう鍛えるの?

 鍛えるにあたってまず知っておかなければならないのが動体視力の種類です。

DVA動体視力…上下方向または横方向に動く対象物を見る能力のこと。眼球運動が必要。

KVA動体視力…前後方向に動く対象物を見る能力のこと。眼球運動は無く、水晶体の厚みを素早く変化させ、前後方向に動く対象物を正確に認識する能力が必要。

 次に、動体視力が必要な場面を考えてみて下さい。例えば、クロススポーツクラブで行なっているスポーツの一つ、サッカーのように、空間をワイドな視点で見ることが必要なスポーツにおいては、DVA動体視力が重要です。

 逆に、野球のようなスポーツでは前後方向の動きを見極めるKVA動体視力が重要です。ただ、野球において自分の方にきた球をキャッチしたり、自分に近づいてきた球を打ったりするのにはKVA動体視力が必要ですが、自分の体を横切るような打球をキャッチする時はDVA動体視力が必要です。このように考えると、野球においては、DVA動体視力、KVA動体視力両方が必要な事が分かります。

 さて、ではどのように鍛えるのかというと・・・

ビジョントレーニングというものがあります。ビジョントレーニングとは、眼で見る力を鍛えるトレーニングのことです。しかし、見るといっても視力のことではなく、今回は視覚に注目して眼を動かすことで脳を活性化させ、集中力や判断力、情報処理能力を高めます。イチロー選手(元メジャーリーガー)は、子供の頃から自動車のナンバープレートの数字を瞬時に足し算をするという遊びの中で動体視力を鍛えたと言われています。

 このようにビジョントレーニングは様々な方法がありますが、今回は簡単にできるものを1つご紹介したいと思います。

 円を描くように指先を動かして顔を動かさずに眼だけで追いかけたり、腕を前にのばして40~50センチ程度開き、左右の指先を交互に見るなどの動作を繰り返します。これを行うことで眼球の動きが滑らかになり、立体視能力や奥行き認識能力が鍛えられます。

最後に…

 先程述べたようにビジョントレーニングによって動体視力を鍛えること

は、スポーツの場面以外にも、字が綺麗になる、本を読むスピードが速くなる、授業に集中できるようになる等様々な効果が期待できると言われています。

 ただ、一つお伝えしたいのが、トレーニングをしている時にどこを使ってどこを鍛えているのかという事を理解した上で行って下さい。筋トレ等と同じで、どこに効いているのかということを意識しながら行うことで脳にも刺激が与えられ、トレーニングの効果が期待できます。

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